東北医科薬科大学 糖尿病代謝内科

診療案内

教授挨拶

私たちは糖尿病、肥満症、脂質異常症、高尿酸血症など代謝性疾患の診断および治療を行ってます。これらの慢性疾患の治療には自己管理行動(セルフケア)が欠かせません。患者さん自身が病気を良く理解し、日々の生活の中で食事療法や運動療法などを取り入れながら自己管理できるよう、医師、看護師、管理栄養士などのスペシャリストが応援します。当教室は糖尿病代謝内科の初代教授である赤井裕輝先生により患者さんの自己管理行動(セルフケア)を高める技術の研究開発を行なってきました。多職種連携による糖尿病チームを結成し、集学的治療による糖尿病性腎症の寛解や膵島機能回復を目指した治療を実践し、その有用性を発信してきました。また、地域における糖尿病多職種連携の強化を目的に平成29年に宮城県糖尿病療養指導士(CDE-MIYAGI)認定委員会の設立に大きな貢献をされました。
私、澤田正二郎はこのような患者中心の診療が行える環境を含め、令和5年4月より教室運営を引き継ぎました。糖尿病は膵臓、肝臓、骨格筋、脂肪など様々な臓器の代謝異常のバランスの崩れから発症します。近年、インクレチンを分泌する臓器として小腸や生体におけるエネルギーバランスを統括している脳の重要性も分かってきました。このように、これからの糖尿病の診療には各臓器の病態を知り、それらを統合して理解する能力が必要とされます。また、糖尿病の合併症には細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)と動脈硬化性疾患(虚血説心疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)がありますが、これらの進展、発症を阻止することも重要です。さらには、糖尿病前状態の段階で発見し、糖尿病の発症を予防することも重要な課題です。糖尿病領域では毎年のように新しい治療薬や治療機器(次世代型CGMやインスリンポンプなど)が誕生していることから、良い治療は積極的に取り入れ、患者さんに最善・最良の治療を提案します。そして、地域の医療機関と連携をとりながら、これからも地域の糖尿病診療に貢献していきます。
当教室では、このような視点に立った診療・教育・研究が可能です。これから代謝領域の内科専門医とを目指し、また、興味がある研究をすることも可能な環境があります。やる気がある若い力を大いに歓迎します

教授 澤田正二郎